にこみNEWS


ComicStudio製品発表会に行ってきました 〜その2〜
2001.11.08

はい、というわけで前回の続きになります。
ソフトの内容についてはだいたい書いてしまったので、今回はおまけ的な感じになってしまいますが…質疑応答の部分ではファイルの互換性に関する話題など興味深い発言もありましたので、よろしかったらどうぞ。

▽フォントからトーン集まで…周辺ソフト群
ということでその周辺ソフトですが、以下の4タイトルがEXと同時に発売されます。
もちろんComicStudio1.1でも使えますので、「EXは高くていらないけどトーンだけ追加したい」とかいう場合に購入することになりますね。

ComicStudioフォントパック Vol.1
開発元:エヌフォーメデイア研究所
発売元:セルシス
予定価格:7,800円
以前ここでも「ComicFont」について取り上げたことがありますが、このパックに含まれるのは、それをさらにComicStudioで字間などが揃うようにチューニングされたもの3書体が収録されています。
マンガ雑誌や単行本に使われる書体は、「漢字がゴシック、かなが明朝」という写研の写植が根強く使われていますが、このフォントはそれをかなりいい感じのレベルで再現しているように見えます。
また、つながっているびっくりマークやハートマークなどのマンガによく使われる外字も400種類入っていますので、実用性も高そうですね。
ただ、このフォントが他のアプリケーションで使用できるかどうかは不明です。
普通のTrueTypeなので大丈夫かと思うのですが…もしかしたらInstallerでComicStudioの有無をチェックしたりするのかもしれませんね。

 

写植っぽい
△絵に負けないインパクトのフォント
 
ComicStudioトーンコレクションズ Vol.1
開発・発売元:Too
予定価格:3,980円
ComicStudio本体には、網点・万線・グラデのトーンと、おまけ的にパターンと背景画像が数種類ずつ入っていましたが、ちょっと物足りないという声もあったそうです。
Vol.1では、マンガでよく使われる柄トーンや背景などを60種類収録しているとのことで、今後もユーザのリクエストを重視してシリーズ化をしていくそうです。
コマを表示しながら位置合わせができます
△パターンや背景写真などを収録
 
ComicStudio画像素材集 Vol.1 〜学校編〜
開発元:グラフィック社
発売元:セルシス
予定価格:3,980円
イラストやマンガを描いたことがある方ならグラフィック社のポーズ集は見たことがあるかもしれませんね。あとは「江口寿史の人体ポーズ集」くらいか…ってそれは関係ないのですが、とにかくグラフィック社で一番人気があるという学校関連の資料・背景写真を600点近く収録した素材集です。
やはりマンガの王道は学園モノということなのでしょうか。
コマを表示しながら位置合わせができます
△この他デッサン人形Verも収録
 
デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン
開発元・発売元:デジターボ
予定価格:5,800円
Photoshop用に販売されている「デジコミツールズ(だったと思う)」シリーズの同名プラグインの移植版だそうです。
ComicStudioだけでは描くことが難しい、集中線や流線を生成することができるそうです(すいません、Photoshop版使ったことないのです)。
 
流線が…イイ!!
△こんなの自動で描けたらズルい(笑)
 


▽プロ作家からのコメント

ひとしきり各製品の説明のあとは、プロのマンガ家がComicStudioについて語りを入れるコーナーです。
このあたりからデジカメの調子が悪くなり、あれこれいじっているうちに話が終わってしまいました。なので、あまり記憶が無いです…すいません。

コメントをしていたのは、「宇宙刑事シリーズ」などのコミック版や「ラジコンキッド」「電脳警察サイバーコップ」などを描かれた「のなかみのる」さんと、「ぼくのマリー」「特命高校生」を描かれた「竹内桜」さんが、それぞれComicStudioを使用した感想などを語っていました。
のなかさんは作品がベクトルデータで残ることの利点を強調していて、竹内さんはトーンのバリエーションやアシスタントとの分業について今後に期待したい、と話していました。

ちなみに、配布された資料の中にお二人がそれぞれComicStudioで描いた作品のプリントアウトがあったのですが…やはり上手い人ははどんな道具を使っても上手いですねホント。
  
のなか先生
△のなかみのるさん
 竹内先生
△竹内桜さん
 


▽質疑応答ではお約束の質問も…

最後に質疑応答の時間が設けられましたが、お約束の「Mac版はいつなの?」というのも含めてさまざまな質問が出ていました。
中には質問に答えるセルシス川上社長が即答に困るような質問も飛び交いましたが…主なものを抜粋しておきます。
ただし、これらは書面での公式なコメントではありませんので、必ずしも社長がコメントしていた内容がすべて保証されるわけではありません。そのへんはご承知おきくださいね。
 
ザ・社長
△セルシス社長 川上氏
 

Q:
PhotoshopやPainterのレイヤーをそのまま持ってこれたりできないのか?また、他のファイル形式との互換性はどうなっているのか?
A:
レイヤーなどの互換性は現実的に難しいが、将来的なフューチャーとして考慮すべき点ではある。また、カラー版までのつなぎという意味で、カラー原稿用として汎用データ形式の書き出しについて、近日中に何らかの形でお知らせできると思う。
(筆者補足:汎用形式…たぶんEPSだと思われるが、カラー用ということで解像度は抑え目になるのではないか?)
 
Q:
Illustratorのベクター形式のデータをComicStudioに持ってこれないか?
A:
同じベクター形式とはいえ、IllustratorとComicStudioのそれは実現方法が異なっているため変換するのは現状難しい。ただ将来的に対応する可能性は無いわけではない。
 
Q:
EX版のターゲットユーザは、やはりプロなのか?
A:
プロ/アマでターゲットを分けているわけではない。どの機能まで必要なのかという部分で、それぞれのパッケージを選択する形になるのではないかという考え方だ。
そのために、必要十分な機能を持つ1.1から豊富な機能を持つEXへのトレードアップパスも用意する。
 
Q:
集中線などのプラグインが発表になったが、仕様を公開して誰でも開発ができるようになるのか?
A:
現在アライアンスを組んだパートナー及び社内での開発にとどめており、SDKの配布や仕様を公開することは考えていない。ただ、アイディアがあれば一般の方でもお話を聞かせていただきたい。
 
Q:
同人印刷についてはデジタル入稿の環境が整いつつあるが、プロ(商業)についてはどう考えているのか?
A:
同人印刷と同じ仕組みを商業レベルに当てはめるのは無理。別途パートナーなどと調整をしているので、時期がくれば発表できると思う。
 
Q:
海外での展開は考えているのか?
A:
ハングル版については11/16に韓国で販売開始になる。英語など、その他海外版については現在マーケティング中であるが、リリースする可能性は十分考えられる。
 
Q:
薄墨の表現やカラー対応について予定はあるのか?
A:
カラー版については、2002年に何らかの形で発表できると思う。薄墨(グレースケール)についても同様。
 
Q:
ComicStudioのMac版は出るのか?
A:
Mac版についてはプロを含めユーザーからリリースの希望が非常に多い。
もちろんやりたいとは思っているが、実際に開発に入っているかと聞かれれば残念ながらそれはノーだ。
(筆者補足:OS9.x→OSXの移行時期の絡みもあるのではないか?)


▽結論…コレは「買い」なのか?


自分の原稿製作のプロセスが確立している作家ほど、自分(とアシスタント)の作業にComicStudioをどんどん取り込んでいけるかどうかはまだ難しい部分があると思います。
EX版が今回発表されたことで、いままで蓄積してきたアナログ原稿の取り込みなどができるようになり、少しずつ状況が変わってくるのかもしれません。

価格については、もちろんこれは個人的な意見ですが…趣味でマンガを描いているユーザにはEXの74,800円は手が出にくいですよね。やはりEXで実現された「画像の仕上げレイヤーへの取り込み」という独自機能が必要になるかどうかが分かれ目になるのではないでしょうか?
とはいえ「その機能がほしいけれど付属ソフトはいらない」というユーザも多いのが実際のところだと思います。もう少し1.1とEXを明確に差別化できる何かがほしいですね。そうじゃなければ価格設定で差をつけるとか。

ただ、いずれにせよこの異様なまでの開発ペースで動作レスポンスの向上と機能追加が実現してしまうことについては賞賛に値すると思いますので、今後もよりユーザの意見を取り込みつつ、「いい方向」に成長しつづけてくれればと思います。Adobeなんかの大企業と違って(失礼)、ユーザのフィードバックは短期間でちゃんと反映されているようですし…。

それから、1.0に期待して買った初期ユーザに敬意と感謝の意を表する意味でも、1.1からEXへのトレードアップは安価にやってほしいものです。これは切実ですホント。


▽おまけ:個人的に追加してほしい機能…

戯言ですので、読み飛ばしてくださって結構です^^;
サポセンに言えばいいのかもしれませんが、同意する人みんなで要望を出せば、次のバージョンで載るかもしれないですしね。

・ビットマップ→ベクトルデータへの変換 紙に描いて取り込んだ線画をベクトル形式に変換できるなんて…イイ!!
・マスターページ 毎ページに数字を変えたノンブルをつけていくのはめんどくさいです。
・モザイク 私は描けませんが、成人向けマンガには必須の機能だと断言できます(笑)
・ショートカットの充実 ツール切り替えとか…。慣れるとペンをメニューやパレットまで動かすのがめんどくさいです。
・マニュアルをもっとまともに… ネット上での情報やTIPSも少ないのでマニュアルが頼り…もうちょっとわかりやすくしてほしい。


…というわけで、久しぶりに長いレポートなんか書いたので疲れましたが、今後もネタがあって行けるところがあればどんどん取材に伺いますので、心当たりのある方は私までご連絡ください。
もちろん「こんなことが知りたい!」というリクエストも本気でお待ちしております。同人印刷所への潜入からエロゲーメーカーへの侵入まで(笑)、法に触れること以外はなんとかしますので。

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 ▽ニュースリリース
  http://www.comicstudio.net/CS/news/news.html#tepia
 ▽ComicStudio.net(メーカー公式ページ)
  http://www.comicstudio.net/

[ text: 天上@nicomi.com ]


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